スタッフS– Author –
株式会社ノース・ポールの現場スタッフ。遺品整理・生前整理の現場で見聞きした出来事を綴ります。
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スタッフの現場より
【スタッフSの現場より】長津田から先の、なぞ
前回、二俣川という駅について書いた。今回も駅の話である。ただし今回は、一つの駅ではなく、ひと区間まるごと。長津田から中央林間まで、田園都市線のいちばん端っこの話だ。 先に言っておくと、この区間は、なぞである。 渋谷から延々とやってきた田園... -
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【スタッフSの現場より】二俣川、という通過儀礼
二俣川、という駅がある。相鉄線に乗って、横浜からしばらく西へ行ったところにある駅だ。ここで相鉄本線といずみ野線が、二手に分かれる。二俣川で線路が二俣に分かれるのだから、できすぎた話である。 神奈川県民なら、この駅名を聞いただけで、思い浮か... -
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【スタッフSの現場より】一生に会う人の、数
人は一生のあいだに、何人の人に会うのだろう。 ときどき考える。答えの出ない問いというのは、考えるのにちょうどいいのだ。 職業によって、ずいぶん違うはずである。医療の仕事なら、毎日たくさんの人に会う。会うというより、診察する。訪問診療なら、... -
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【スタッフSの現場より】メメント・モリと、押し入れの奥
メメント・モリ、という言葉がある。ラテン語で memento mori、「死を想え」という意味らしい。ラテン語とはまったく縁のない人生を送ってきたけれど、この言葉だけは、なぜか他人という気がしない。 ところでこの言葉、表記が人によって少しずつ違う。メ... -
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【スタッフSの現場より】怪談、あるいは階段の話
夏なので、怪談をひとつ。 といっても、幽霊は出てこない。出てくるのは階段である。怪談と階段は、発音がよく似ている。似ているだけのことはあって、どちらも、上りはじめたら最後までつきあうしかない。 遺品整理の現場には、ときどきエレベーターのな... -
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【スタッフSの現場より】招き猫が、十七体|遺品整理の現場から
数えてみたら、十七体あった。 玄関にひとつ。下駄箱の上にふたつ。茶の間のテレビの脇に三つ。仏壇の横に、遠慮がちにひとつ。台所の食器棚の上の、手の届かない場所に四つ。あとは押し入れの中に、新聞紙にくるまれて七つ。大きいのも小さいのもいる。右... -
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【スタッフSの現場より】カレンダーの、小さな丸
※本記事は、複数の現場で目にした情景をもとに構成したエッセーです。特定のご依頼・ご家庭を記録したものではありません。 台所の柱に、カレンダーが掛かっていた。 銀行でもらうタイプの、月めくりの、ごく普通のカレンダーだ。片付けの現場では、外した... -
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【スタッフSの現場より】私の部屋は、今日も片付かない|遺品整理の現場から
遺品整理の仕事を、もう何年もやっている。 だから片付けには、それなりの自信があった。お宅に伺い、仕分けて、梱包し、搬出の段取りを整える。仕事の現場では、決められた時間の中で、ご家族に確認しながら作業を進めていく。段取りと人数を考え、一つず... -
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【スタッフSの現場より】テーブルの裏側の落書き|遺品整理の現場から
ずいぶん前の、夏の話だ。 記録的に暑い年で、朝の九時にはもう、アスファルトが少し柔らかくなりかけていた。ご病気で亡くなられた方のお部屋を、ひと部屋だけ片付けるというご依頼だった。 こういう作業は、世間の人が想像するよりもずっと静かに進む。... -
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【スタッフSの現場より】同じお鍋が、みっつ|遺品整理の現場で思うこと
高齢の方のお宅を片付けていると、いつも同じ場所で手が止まります。押し入れの上の、天袋です。 何十年も開けられていない箱が、そこにはたくさん眠っています。お子さんの書き初め、しつけ糸のついたままの着物、どなたかの結婚式の引き出物。蓋を開けた...
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