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【スタッフSの現場より】私の部屋は、今日も片付かない|遺品整理の現場から

2026 7/13
スタッフの現場より
2026年7月8日2026年7月13日

遺品整理の仕事を、もう何年もやっている。

だから片付けには、それなりの自信があった。お宅に伺い、仕分けて、梱包し、搬出の段取りを整える。仕事の現場では、決められた時間の中で、ご家族に確認しながら作業を進めていく。段取りと人数を考え、一つずつ終わりへ近づけていく仕事なのだ。

ところが、である。

私はこれまでに、身内を亡くして、その片付けをしたことが四回ある。仕事ではなく、家族の一人としての片付けだ。プロなのだから、さぞ手際よく進んだだろうと思われるかもしれない。進まなかった。四回とも、見事なくらい進まなかった。

見たことのある湯呑みが出てくる。子どもの頃、さんざん食卓で見た絵柄だ。手が止まる。旅行土産の、なんだかよく分からない木彫りの熊が出てくる。また止まる。私の字で書かれた古い年賀状が出てきたときには、廊下に完全に座り込んでしまった。

身内の片付けで懐かしい湯呑みを手にして作業が止まるスタッフのイラスト
懐かしい品を手にすると、プロでも時間が止まることがあります。※イメージイラスト

作業は進まない。当然だ。気が散って、どうしようもない。一日が二日になり、二日が三日になり、気がつけば一週間が経っていた。プロが、である。

そしてうすうす気づいてもいる。これはたぶん、私の部屋がいつまでも片付かないのと、同じ理屈なのだ。

それなのに、仕事の現場は一日で終わる。そりゃそうだ、他人のものだから——と書くと冷たく聞こえるかもしれない。そうではない。正しくは、距離があるから、だ。距離というのは、プロの道具箱に入っている、大事な道具の一つなのだと思う。気持ちに寄り添いながらも、確認すべきことを落ち着いて確認する。そのための距離である。医師が経営する会社で働いていると、記録と確認の大切さを考える機会が多い。

ただし、距離を置いたまま、何でもかんでも廃棄に回すのなら、この仕事はずいぶん簡単になる。そうはいかない。写真。通帳。手紙。仏具。誰かの字で書かれたもの。そういう品の前では、いったん距離をたたむ。これが自分のものだったら、と考える。そこだけは、あの一週間かかる私に戻るのだ。もっとも現場で本当に一週間かけるわけにはいかないから、手は動かしたまま、心の速度だけを落とす。

写真や手紙などの思い出の品を急がず確認する現場スタッフのイラスト
大切な品の前では、手を動かしながら心の速度を落とします。※イメージイラスト

要するに、メリハリである。飛ばすところは飛ばし、ゆっくりやるところはゆっくりやる。緩急をつけて、今日もどこかの家を片付けている。

それにしても、ああ、部屋が片付かない。

——私の部屋の話だ。

(スタッフS)


ご自身では手が止まってしまう片付けも、どうぞご相談ください。思い出の品は、ご家族に確認しながら丁寧に扱います。無料見積りフォームまたはLINE公式アカウントからご相談いただけます(受付時間 10:00〜18:00)。ご相談の流れはこちらをご覧ください。

筆者: 株式会社ノース・ポール 現場スタッフS/監修: 株式会社ノース・ポール(医師が経営する遺品整理・生前整理の会社/有資格スタッフが対応)/最終更新日: 2026年7月13日

機密書類の処分・データ消去も承ります

遺品整理・生前整理で出てきた通帳・証書・手紙などの書類は、溶解処分のうえ証明書を発行します。パソコンやHDD・SSD・SDカードなどの記憶媒体は、提携のシステム会社にて完全消去し、消去証明書をお渡しします。詳しくは機密書類の処分の記事をご覧ください。

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株式会社ノース・ポールの現場スタッフ。遺品整理・生前整理の現場で見聞きした出来事を綴ります。

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