はじめまして。スタッフFです。いつもはSさんが書いているこの欄に、今日は僕が混ぜてもらいます。緊張しています。よろしくお願いします。
さて、突然ですが、日本の家庭にはひとつの法則があると僕は思っています。
「青くて丸いクッキーの缶には、裁縫道具が入っている」
という法則です。
ある片付けの場面で、押し入れから青くて丸い缶が出てきました。僕は缶を持ったまま、心の中で静かに宣言しました。これは裁縫箱だ。開ける前から分かる。だって日本の家庭だから。
開けました。裁縫道具でした。
針山、糸、ボタン、ほどいた金ボタン、なぜか入っている片方だけのカフスボタン。完璧です。僕は法則が証明された喜びで、ちょっとガッツポーズをしそうになりました。現場でガッツポーズをするスタッフは不審なので、しませんでしたが。

ところがです。その奥から、もうひとつ青い缶が出てきました。二つ目。これも裁縫道具か、それとも法則の第二条「二つ目の缶には古い写真とボタンが入っている」か。
開けたら、写真とボタンでした。法則、強い。

そして一番奥に、三つ目の缶がありました。さすがに三つ目の中身は予想がつきません。ご家族と一緒に確認することにしました。ふたが固くて、開くまでに少し時間がかかりました。
クッキーでした。
未開封の、クッキーそのものでした。期限表示はずいぶん前のものでした。三つ目でようやく本体が出てきたことが、なんだか可笑しくて、場の空気が少しだけゆるみました。
缶というのは、不思議です。丈夫で、きれいで、ふたが閉まる。だから捨てにくい。空いた缶を前にすると、人は何かを入れたくなってしまう。裁縫道具、ボタン、写真、領収書、たまに本体のクッキー。缶は、その家の生活が少しずつ堆積した、小さなタイムカプセルなんだと思います。開けるとき、僕たちは片付けというより、発掘に近いことをしているのかもしれません。
大切なものが入っていることもあります。缶、封筒、お菓子の箱。「もう空だろう」と見えるものも、中身を確認しながら仕分けます。三つ目の缶がクッキーである可能性は、いつだってあるからです。
片付けの前に確認しておきたい品については、重要書類・貴重品のチェックリストもご覧ください。
ちなみに白状すると、僕の部屋にはいま、空き缶が3つあります。良い缶に出会うと、捨てられないんです。何を入れるかはまだ決めていません。

それを決めるのが、これからの僕の生活なんだと思います。
(スタッフF)
※本記事はエッセーであり、特定の事例をそのまま記したものではありません。
缶や封筒、お菓子の箱も、中身を確認しながら一つずつ仕分けます。無料見積りフォームまたはLINE公式アカウントからご相談いただけます(受付時間 10:00〜18:00)。ご相談の流れはこちらをご覧ください。
筆者: 株式会社ノース・ポール 現場スタッフF/監修: 株式会社ノース・ポール(医師が経営する遺品整理・生前整理の会社/有資格スタッフが対応)/最終更新日: 2026年7月13日


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