こんにちは。スタッフFです。2回目の登場です。前回、青い缶の話を書いたら、Sさんから「法則の人」と呼ばれるようになりました。悪くない称号だと思っています。
というわけで、本日の法則です。
「台所のいちばん上の引き出しには、輪ゴムが入っている」
これはもう、法則というより物理現象に近いと僕は思っています。ある片付けの場面でも、台所の引き出しを開ける前に、僕は心の中で静かに予言しました。この引き出しには輪ゴムがいる。開けました。いました。それも、ぎっしり。
ガラスの空き瓶にみっちり詰まった輪ゴム。瓶に入りきらなかった分は、引き出しの手前で自由に暮らしていました。ちなみに第二条もあります。「台所のドアノブには、輪ゴムが掛かっている」。振り返って確認したら、掛かっていました。法則、強い。
なかには、伸びきって白くなった輪ゴムもいます。もうゴムとしては働けない、定年退職した輪ゴムです。それでも瓶の中にいるあたり、この家で長く勤め上げたんだなあという感じがします。
でも、僕が本当にすごいと思ったのは、そこではありません。
その家では、輪ゴムたちが、ちゃんと働いていたんです。手紙の束に一本。年賀状の束に一本。短くなった鉛筆を5本まとめて一本。花の種の袋を折りたたんで一本。家じゅうのあちこちで、輪ゴムが「バラバラにしないぞ」という仕事をしていました。
ご家族からは、何でもまとめておく方だったと伺いました。暮らしの中の小さなものまで、きちんと束にしておく。輪ゴムは、その方らしい手つきの一部だったのかもしれません。
輪ゴムって、地味です。でも、輪ゴムで留められた束は、「バラバラにしたくなかった束」です。まとめるという手つきは、大事にするという手つきなんだと思います。あの家の輪ゴムは、ぜんぶ、その小さな証拠でした。

ここでお仕事の話をひとつだけ。輪ゴムで留められた束も、内容を確認しながら仕分けます。重要書類や思い出の品が紛れている場合があるためです。輪ゴムは「大事なもの」の目印になることもあります。
探しておきたい品については、重要書類・貴重品のチェックリストもご覧ください。
さて、その日の夜のことです。家に帰った僕は、机の上の充電ケーブルを、無意識に輪ゴムでまとめていました。ハッとしました。手つきというのは、移るんです。誰かの暮らしから、ご家族を経由して、僕のところまで。

いつか僕も、誰かに移せたらいいなと思います。
まとめる手つきと、それから、大事にする手つきを。
(スタッフF)
※本記事はエッセーであり、特定の事例をそのまま記したものではありません。
輪ゴムで留められた束や封筒、缶も、中身を確認しながら一つずつ仕分けます。無料見積りフォームまたはLINE公式アカウントからご相談いただけます(受付時間 10:00〜18:00)。ご相談の流れはこちらをご覧ください。
筆者: 株式会社ノース・ポール 現場スタッフF/監修: 株式会社ノース・ポール(医師が経営する遺品整理・生前整理の会社/有資格スタッフが対応)/最終更新日: 2026年7月13日


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